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経営管理

中小企業の経営計画

大企業の経営計画と中小企業の経営計画の大きな違いは、リアルさにあります。

大企業=上場企業と考えると、リアルでなければ株主総会はじめ様々な報告書を作成するのですから、チェックが入ります。

大企業では、中期経営計画を中経(ちゅうけい)と呼び作成します。

会計基準も、売上や経費配分も正しく配賦されているのですから、数字を疑うことなく、計算出来ます。
(裏に何もなければですが)

概ね3~5年先のことを書かれていて、それから次年度の事業計画が策定されていることがほとんどです。

株式投資などをやられている方は、アニュアルレポートやIR情報をチェックされているので、見ている方が多いと思います。

そこで、中小企業の経営計画について。

ほとんどが会計をベースにして作成されています。

大企業との違いがこの部分です。

大企業は、事業単位での計画になっており、緻密です。

事業を中心として、経済環境や業界背景、先を見通して取り組むべき課題や収益構造から、事業計画に落とし込んでいきます。

ところが、中小企業は、売上という会計の勘定科目にまとめられた数字で前年比プラスマイナスとしてしまいがち。

売上も、商品構成比や部門構成がある場合には、伸びているところもあれば衰退していところもあるはずです。

主要部門が下落傾向にあることは、理解していても数字としては見たくない現実ですから目を背けたい気持ちはわかります。

しかし、この部分が最も重要なところであり、分析し検証し、予測しなければならない部分と言えます。

つまり、中小企業の経営計画も、自社の売上を分解し、経済環境や市場環境、商圏状況や顧客動向などを考慮して、分析し予測する必要があります。

競合環境が厳しくなれば・・・、価格競争が厳しくなれば・・・と状況に対応するための対策を講じておく機会が、経営計画ということです。

中小企業で、この経営計画を策定出来るのは・・・代表である社長になります。

精神論ではなく、机上の空論ではない、リアルな経営計画であれば先が見えます。

そのためには、マーケティングもマネジメントも重要です。

どう集客し、どう売上を上げて、利益を確保するか。

利益をどう分配して、将来にどう備えるか。

今となっては、笑い話のようなことですが、決算書の売上数字から単純にプラス〇〇%を目標として、経営計画を立てて発表して、自己満足していた時代があります。

私が会計事務所に勤務していた時代(もう20年以上前ですが)は、このようなことが日常茶飯事であり、金融機関までが、このような計画を褒めていたのですから、ダメになるはずです。

一昔前までは、経営計画に関してはセミナーや書籍も目にしましたが、最近はありません。

しかし、大企業は継続してやっています。

ここも、中小企業と大きく違うところです。

一過性ではなく、事業を継続するから必要だということなのです。

日々の業務で忙しい中小企業ではありますが、経営計画に取り組むことで、見えてくるものがあることは、確かです。

弊社も、本年度はしっかりと経営計画に取り組む予定です。

今回は、自省も含めて書いています。

転ばぬ先の杖・・・ではなく、転んでも杖を取るための経営計画にしたいと思います。

くれぐれも、絵に描いた餅にならないように。

中小企業の経営計画は、総じて肩の力が入り過ぎていたり、声高です。

そうではなく、代表者である社長自身が楽しみながら、又は楽しみを見出すための経営計画を作成するようになるべきだと思います。

楽しむことで策定された経営計画であれば、スタッフにも楽しみが見いだせるはずで、そのような経営計画が理想です。

経済情勢、事業環境は刻々と変わるものの、それに対応し適応するのが経営です。

その方針をつくる【経営計画】。

カタチだけではなく、事業のために必要です。

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